うさぴょん:「おとうさん、おとうさん、もうすぐお正月だね。
今年はどこへつれてってくれるの?」
うさとうさん:「ごめんよ、うさぴょん。
おとうさん、忙しくて、お正月も仕事なんだ。
お仕事が終わったら、どこか行こうな。」
うさぴょん:「そうなんだ…。
おとうさん、無理しないでね。」
うさぴょん:「おかあさん、おかあさん、
お正月はどうするの?」
うさかあさん:「おかあさんね、
おばあちゃんのところへ行かなきゃいけないの。
ほら、おばあちゃん、この間、足を怪我しちゃったでしょ。
身のまわりのこと見てあげなきゃいけないでしょ。」
うさぴょん:「そうなんだ…。
おばあちゃん、早くよくなるといいね。」
うさぴょんは、両親に聞き分けのいいことを言ったものの、
自分の部屋で、一人になって、ため息をつきました。
「お正月なのに…。」
その時でした。
“コトッ”
と音がしました。
うさぴょん、音のしたほうを見ました。
部屋の隅のカゴに入っていた、おやつのニンジンが1個、
カゴから転がり出ていました。
うさぴょんは、首をかしげながら、
頭の上に“?”マークをいっぱい出しながら、
カゴのほうに近づいていきました。
転がり出たニンジンをじーっと見ていたうさぴょんは、
あることを思いつきました。
「そうだ!」
うさぴょんは、机のところへ行くと、
引き出しを開けて、ボタンを二つ取り出し、
また、ニンジンのところへ戻りました。
そして、ニンジンに二つのボタンをのせました。
まるで、ニンジンに顔があるかのように…。
その時、再び不思議なことが起きました。
ボタンをのせた瞬間、声が聞こえたのです。
いえ、声がしたような気がしただけかもしれません。
でも、うさぴょんには確かに聞こえたのです。
「にん!」って。
うさぴょんは、そのニンジンを手に持つと、
さらに、カゴの中から、胴体と、手と足になりそうなニンジンを抱え、
机のところに持って行きました。
引き出しの中から、糸と針と、ハサミとボンドとドライバーを出して、
手にしたニンジンを、
“こうかな、いや、こうかな”って呟きながら、
くっつけていきました。
ときどき、「キュー!」とか、聞こえたような気がしました。
うさぴょんは、「もうちょっと、もうちょっとだからね。」
と言いながら、夢中です。
すべてのニンジンがつながりました。
完成です。
机の上に横たわったニンジンのウサギさん。
でも、でも、
動く気配はありません…。
うさぴょん:「やっぱり、ニンジンかぁー。」
完成した喜びもつかの間、
うさぴょんは、またため息をつきました。
そしたら、そしたらです。
聞こえたんです。
「名前を呼んで♪」って。
うさぴょんは、ゆっくり、二、三回首をかしげたあと、
これだ!って顔をして、ニンジンのウサギさんに呼びかけました。
「にんぴょん!」
にんぴょん:「にん!」
うさぴょん:「わー!」
にんぴょん:「にん!」
うさぴょん:「わー!」
にんぴょん:「にん!」
うさぴょん:「わー!」
ほんとは、あと3回くらいこのやりとりがあった後、
うさぴょん:「はじめまして、ぼく、うさぴょん。」
にんぴょん:「にん!」
うさぴょんは、もうさみしくありません。
こんなすてきなお友だちに会えたんです。
二人は、外のお花畑で、時のたつのを忘れて、
ウサギのダンスを踊っていました。
お・し・ま・い
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今年の年賀状の物語でした〜。
ニンジンでできたうさぎさん。「にんぴょん」です。
うさぎは、もちろん、リベンジ!手紡ぎうさぎ…。
手紡ぎうさぎとの闘いが始まったのは、いつのことだったでしょうか。
ちょっとブログをさかのぼってみました。
2009年の4月だったみたいですね。
ニードルフェルトでつくったうさぎさんの話 こちら
らうらの話 こちら
ちょっとは、いろいろと腕が上がったはず!、と思うものの、
やっぱり、なんだか、うさぎって、難しい…。
かわいすぎるから?
普通すぎるから?
永遠のテーマになりそうです…。
そして、今回は、めずらしくカラフル〜!に、挑戦してみました。
(カラフルって、花が!じゃん…。)
めざせ!カラフル♪
そそらそらそら うっさぎのだんす〜♪♪♪
あ。
「遅ればせながら…。」記事、まだいくつか続きます…。
また、のぞいてみてくださいね。