どんぐぅたちを載せたトロッコ。
軽快に線路をどこまでも走ります。
どんぐり:「ごきげんだね!」
どんぐり:「風が気持ちいい〜。」
どんぐぅ:「きっと、宝のありかまで、あっという間だね。」
どんくま:「地図には、この先に谷があって、
その谷を越えたところに宝の印がついていたから、もうすぐだよ。」
そう、前回のお話のシーンで、
こんな標識があったのを覚えていますか?
どんぐぅ:「その谷は、どうやって越えるの?」
どんくま:「橋を渡るんだよ。」
どんぐぅ:「………。」
どんくま:「どうしたの? どんぐぅ。」
どんぐぅ:「橋がない…。」
そうなんですよね。冒険っていうと、なぜか谷に橋がないんですよね。
どんぐぅ:「そういえば、何年か前に橋げたが古くなって、橋がなくなっちゃったって、
聞いたよ。」
どんぐり:「どうしよう、谷に落ちちゃうよ。」
どんくま:「ブレーキをかけなきゃ。」
どんくまは、ブレーキと書いてあるレバーをグイって引きました。
キーッって大きな音がしました。
そして、車輪から火花が上がりました。
でも、トロッコは汽車と同じで、そんなに簡単には止まりません。
少しずつ、スピードは落ちていきますが、みるみる谷が近づいてきます。
どんぐり:「落ちるぅー!」
どんぐり:「うわー!」
渾身の力を込めてブレーキレバーを引いたどんくまの思いが通じたのか、
トロッコは、谷底に落ちる寸前、垂れ下がったレールの上で止まりました。
でも、トロッコが勢いよく止まったため、どんぐぅたちは投げ出され、谷へと落ちてしまいました。
どんぐぅたち:「うわー!」
どんくまが、必死に伸ばした右手で、
最後の枕木をつかみました。
そして、左手でどんぐぅの手をつかみました。
どんぐぅも仲間のどんぐりの手をつかみました。
他のどんぐりたちも必死に仲間の手をつかみました。
どんぐぅたち:「ありがとう、どんくま!」
どんくま:「みんな、無事かい?」
どんぐぅたち、助かったのです。
でも、状況は深刻です。
どんくまが4人のどんぐぅをひっぱって、
崖の上に登るなんて、とても無理です。
ぶらさがったまま、長い時間がたち、どんくまの握力も限界に来ていました。
どんぐぅが言います。
どんぐぅ:「どんくま、僕たちのことはいいから、その手をはなして。
でないと、どんくまも落ちちゃうよー。」
どんくま:「ぼくは、どんぐぅの仲間じゃないの?」
どんぐぅ:「仲間だよー。」
どんくま:「じゃ、この手をはなせるわけないじゃないか。」
でも、どんくまが握るどんぐぅの手は、もう指先まで滑り落ちていました。
maam:「そんな、こんなのってあり? これが冒険の結末なの?」
その時でした。一番下にいたどんぐりが異変に気づきます。
どんぐり:「さっきからぼくの足をくすぐるのは誰なんだー?」
そう、どんぐりは、下を見るのが怖くて、全然下を見ていなかったのです。
でも、勇気を出して、そぉっと下を見てみました。
どんぐり:「あっ、地面だ…。」
そう、くすぐったかったのは、地面に生えてたエノコロ草でした。
どんくまと他のどんぐりたち:「えっー!」
一斉に下を見たどんぐぅたちは、あまりの驚きに、一気に力が抜け、お互いの手をはなし、
地面に落ちてしまいました。
どんぐぅ:「いてててて。でも、よかった♪」
やれやれ、何はともあれ、よかったですね。
ちょっと、どきどきしました?
でも、何たって、冒険ですからね。
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すみません…。
近日公開!と言いながら、すっかり忘れておりました。
暑さのせいか、歳のせいか、日々のいろいろに気を取られ、ついつい後回しに…。
久々の冒険シリーズ、いかがでしたか?
ドキドキしましたよね(笑)
この作品、今も、えいこーんずさんに置かせてもらっています。
ドキドキ感を味わいたい方、ぜひ、実物をご覧くださいませ。
えいこーんずさんといえば。
ビッグニュースがあります。
これまでの、迷い悩みながらの何年かの活動の中で、
何があってもこれだけは続けようと思ってやってきた、
「えいこーんずさんでの活動」と「あみコレ」。
なんと、今年は、えいこーんずさんであみコレが開催されることに!
びっくり〜。
最初、その話を聞いた時は、耳を疑いましたが。
どうやら、本当のようで…。
あみぐるみ協会さんとえいこーんずさんのチャレンジに脱帽でございます。
あみコレは名古屋で初開催。
えいこーんずさんのお店の、限られたスペースになりますが、
たくさんの方にあみぐるみに触れていただける機会になれば、
と、とても楽しみにしています。
私自身も、あみコレにはしばらく行ってないので、
久しぶりに、全国の作家さんの作品に会えるが楽しみです。
しかも、名古屋スタートなので、ふふふ♪です。
また、ご案内をさせていただきます。
まずは、作品づくり…、ですね。
がんばって編みます〜♪